introduction 心優しい癒し系動物、マナティについてのエッセイ。

マナティーとの出会い

私がはじめてマナティーの泳ぐ姿を映像で見たのは、高校3年生のとき。

たまたま観ていたセサミストリートの中で、
ノリノリの音楽とともに、水の中で魚とたわむれながら泳ぐマナティーが、
ブラウン管に映し出されたのです。

ずんぐりして大きな体、ゆったりとしていて優雅な動きと、
優しさにあふれる小さなひとみ。愛らしい手の動き。

なぜだかわからないけど、私は一目見た瞬間、強烈に心を奪われ、
反射的にビデオの録画ボタンを押していました。
そしてその後も、何回もビデオを見直しました。

その後私はマナティーのことをもっと知りたいと思い、
本を買ったりテレビの特集番組を見たりして、
マナティーに関する知識をどんどん深めていくうちに、
さらにマナティーのことを好きになっていきました。

穏やかな性格がマナティーの魅力

マナティーは草食動物で、またマナティーを補食する動物も特にいません。
そんなマナティーにとっては、小さな動物も、
凶暴な肉食動物も、「友だち」なのです。

小魚たちはマナティーのことをまったく恐れず、
マナティーもまた何者をも恐れません。
マナティーは、毎日仲間や家族と体を寄せ合いたわむれて、穏やかな時間の中、
誰のことも傷つけず、愛情あふれる一生を過ごします。

人間の悲しさと、マナティー

そんなマナティーたちを唯一傷つけ、絶滅に追い込もうとしているのは、人間です。

人間は、かつては食糧としてマナティーを乱獲し、その数を激減させました。
また最近では、野生のマナティーを見にやってくる人間たちのボートが、
マナティーを傷つけています。

好奇心旺盛で疑うことを知らないマナティーたちは、
人間達がやってくるとボートの近くまで寄ってきて、
ボートの底にあるモーターでけがをしてしまうのです。

マナティーが好きでマナティーに会いに来ようとする人間たちが、
マナティーを絶滅に追い込む要因を作っているのはすごく皮肉なことですが、
彼らは、そんな人間たちにも愛情たっぷりに体をすり寄せてきます。

傷つけられても、決して憎むこと・恐れることをせず、
すべてに愛情を注いですべてを自然のまま受け入れるマナティー。

マナティーは、人間がどんなに望んでも決してかなえることのできない、
理想の生き方の究極の形を、体現しているような気がします。

だから、こんなにも心惹かれるのです。

セサミストリート マナティーの歌のビデオ

私が心奪われたセサミストリートのマナティーの歌。
軽快なリズムとキャッチーなメロディー、聴くだけでマナティーの生態が勉強できてしまう歌詞。名曲です。

inserted by FC2 system